子どもたちが自分らしさを表現するヒント

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子どもたち選手の個性を引き出し、
その子らしさを発揮してもらうためには、
選手のことをよりよく知ることが大切です。

けれど、僕ら大人はついつい、

「集中力がない」
「3日と続かない」
「人の顔色をうかがう」

と、
目の前の見えているものだけに
意識を奪われてしまいがちです。

ある女の子のお話をご紹介します。

少女ジリアンは落ち着きがなく、
いつもそわそわしていました。

宿題はいつも遅れて提出し、
授業中も歩き回っています。

ある日、学校の先生は両親に
ジリアンには学習障害があると伝えました。
今だとADHDといわれるのかもしれません。

ジリアンと両親は
専門家に相談にいきます。

専門家の医師は、
厚い壁に囲まれた部屋の隅に
20分間座るようジリアンに伝えました。

一方で母親から、彼女の行動は、
他の生徒の学習に支障をきたすという話を聞いた医師は

「きみのお母さんと2人で少しお話がしたいんだ」

と伝え、ジリアンを1人残し、
ラジオのスイッチを入れ母親と部屋を出て行きました。

部屋の外では母親に
「ここでジリアンを見ていて下さい」と伝えました。

すると、
ジリアンは元気そうに、
音楽に合わせて動き始めたんです。

母親と医者はそんなジリアンを見守りました。
そして医者は母親に言ったんです

「お母さん、
 ジリアンは病気なんかじゃありません。
 ダンサーですよ」

その後、彼女は
ロイヤル・バレー団のオーディションに合格。

そして、僕らも知っている
「キャッツ」や「オペラ座の怪人」
という作品を生み出し、
何百万人もの人に感動と喜びを与えています。

発見の旅とは、
新しい景色を探すことではない。
新しい目を持つことなのだ。
─マルセル・プルースト

どうしてこの専門家の先生は
彼女の魅力に気づくことができたんでしょうか。

「一般的」であるとか
「常識」という言葉になれすぎてしまうと、
そこからはみ出る「欠点」ばかりに意識が向いてしまいます。

けれど、
はじめて見るときのように意識して見ることで、
様々な視点から見る力が身につくのかもしれません。

「集中力がない」
「3日と続かない」
「人の顔色をうかがう」

という視点がある一方で

「視野が広い」
「好奇心旺盛」
「思いやりがある」

という視点もあります。

物事をいろんな角度から見ることで、
子どもたち選手のことを一方的に決めつけず、
よりよく知ることができ、
より良い成長へのアプローチを考えることができます。

子どもたち選手と一緒に
いろんな角度から見る練習をしましょう。

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