子どもたちの
内発的なモチベーションを育てるには
「楽しませること」が大切です。
彼らが自分から
「もっと知りたい」
「成長したい」と思う雰囲気を作りましょう。
週末の試合や活動から学びを得て、
短所を克服し
長所を伸ばすサイクルを確立するのもよいですね。
チーム内で対話と質問をしあい
子どもたちが
自分から「知りたい」と思うきっかけを作ってみましょう。
自己成長の欲求が芽生えたら、
自律的な学びが自然と始まるでしょう。
●ご質問
成長したいという思いを強く思ってほしいのですが、
どうしたらよいでしょうか?
●どんな状態を望みますか?
一人ひとりが自己を成長させ、
チームの力も高め、目的に向けて協力している状態。
今回は学校の先生からのご質問です。
子どもたち自身から
「もっと知りたい」
「成長したい」
「うまくなりたい」
という気持ちがうまれてくれば、
自然と自分で目標をつくり、
そこに向かって歩んでいく自律も育っていくと思います。
けれど、
この「成長したい」という思いを持ってもらうのは、
簡単ではなく、悩むことのひとつかもしれません。
楽しませることが大前提のスクールコーチ時代
僕の子どもたちへの指導の出発点は、
「少年団」ではなく「スクール」でしたので、
「楽しませること」がとても重要でした。
理由としましては、
子どもたちに楽しんでもらえないと、
保護者のみなさんから
「つまらなそう」という烙印をおされてしまい、
子どもと一緒に退会してしまうからです。
ですので、
- 「つまらない」
- 「やる気が出ない」
という表現が出てこないよう、
- 「どうすれば楽しくできるだろう?」
- 「どうすればやる気になってくれるだろう?」
という問いを
当時から無意識で持っていたと思います。
といっても、
この問いを抱いたのはコーチ時代の終盤からで、
失敗談は著書にたくさん書きましたし、
「楽しんでもらう」ではなく「楽しませる」といった
表現なのも、当時の僕にはぴったりなのです。
表現なのも、当時の僕にはぴったりなのです。
基礎へ戻っていく学びをつくる
一般的には、
学習は基礎から積み上げるものだと
考えている方も多いかと思います。
もし、子どもたちに体育の授業で
サッカーの「ボールを止める」という技術を
教えることになったら、
準備運動を除くと、下記のような方法をとりませんか?
(僕はこうしていました)
例えば「基礎から積み上げる方法」です。
・スピードの遅いボールを止める練習↓・スピードの速いボールを止める練習↓・多様なボールの止め方の練習↓・動きながらボールを止める練習↓・ゲーム(試合)
一方で、
学習とは子どもたちの
”「もっと知りたい!」「もっと上手くなりたい!」
ということから起こる”という視点からいくと、
反対側からアプローチした方が効果的です。
「基礎に戻っていく方法」です。
・ゲーム(遊び)↓・「楽しい!もっとうまくなりたい!」↓・「自分に必要なことは何だろう?」↓・「ボールを思った通りに止めることだ!」↓・ボールを止める練習↓・(略)
週末の試合を活かして成長する
スポーツ少年団であれば、
週末に試合があることも多いですから、
試合からの学びを振り返り、
短所を克服し、
長所をさらに伸ばすサイクルができます。
・先週末の試合↓・学びを振り返る↓↓・どうだった?↓・うまくいったことは何があった?↓・うまくいかなかったことは何があった?↓・より良くするにはどうしたらいいだろう?↓・「●●の練習が必要だ!」↓・練習に取り組む↓・週末の試合を迎える↓・学びを振り返る
学校での教科を受け持ったことがないので、
教室でどのようなアプローチができるかはわからないのですが、
メンタルトレーニングの授業ではこのような方法をとっています。
・チームの目的に合わせてテーマを与える(例:五輪には魔物が住んでいる)↓・選手が問いを立てる時間をつくる↓↓・魔物の正体ってなに?↓・五輪にしか住んでいないの?↓・五輪とワールドカップの違いって何?↓・3〜5人のグループで「答えたい問い」を絞る↓・問いの答えを探す時間をつくる↓↓・インターネットで探す↓・知ってそうな人に聞いてみる↓・図書室から探す↓・グループごとに「問い」と「答え」を発表する
↓
・練習に要素を組む込む
選手たちと目的について、
対話を重ねてきていることが前提ですが、
こちらから
テーマを提示することによって、
目的を見失わずに済みます。
また、
グループごとに発表することで、
チーム力も高まることが期待されます。
そして、
しつもんをつくる(問いを立てる)ことは、
子どもたちが自ら「知りたい!」と自主的に答えを
探し始めるきっかけとなります。
いかがでしたでしょうか?
「もっと知りたい」
「成長したい」
「うまくなりたい」
という思いは、
「認めてもらうこと」
「将来の自分に役立ちそうなこと」
「みんながやってること」
「勝ちたいから」
など、
他のきっかけから生まれることもありますが、
今回は僕たちがまずできるアプローチを
ご紹介しました!
◎まとめ
- 集中力は環境や内容に影響され、時間が限られていることもある。
- 意識、注意、集中、没頭の4つの段階に分け、子供の行動を観察しよう。
- テレビゲームの成功要素(自由、自己決定、遂行能力)をスポーツに取り入れよう。
- 子どもたちに自分で選択肢を持たせ、自己決定権を与えよう。
- 学びをゲームの要素で豊かにすることで、子どもたちが夢中になり、集中力を向上させる。