僕は読書が大好きです。本を読んでいると、その中に入りこみ一種の「トリップ感」というか「自分の中の旅」を感じることができるからかもしれません。今年も150冊以上の本と出会いました。恥ずかしいので、どんな本を読んでいるかをご紹介することはほとんどないのですが、読者の方からのご要望もありましたので、2015年に出会った中で、特に印象に残っている10冊をご紹介しますね。
2015年に出会ったオススメの10冊
ビジネスパーソンの父が子どもたちに伝えたい21世紀の生き方
「素敵だな」「良いなー!」と思った表現や考えに付箋を貼るのですが、付箋を貼りすぎて2冊分くらいの厚みになった1冊(笑)子どもたちの力を引き出すことに関わる方にはぜひ読んでいただきたいです。
ひとりでいられる能力とは、換言すれば、他者とは違う自分をそのまま受け入れ、自分を信じてゆく力です。この能力が開発されていないと、常に他人が自分をどう見ているか、他人に自分が受け入れられているか、ということばかりが気になる人になってしまいます。ついには誰かと同じでないと安心できないとか、権威が認めたものでないと受け入れないとか、そんな、人間社会でいじめられやすい人格を育ててしまいます。
「自ら学び、自ら考える力」こそ、この厳しい時代を生き抜くために必要な能力です。そして、子供にこの能力をつけるのは、基本的に親の責任であり、親以外にそれを担ってくれる存在はいません。なぜなら、人間社会というところは、物事を結果で判断するところであり、結果に至る努力そのものを本心から称賛することができるのは親だけだからです。
◎ 五郎丸日記
2015年、日本中を熱狂させたラグビーワールドカップ。テレビではわからない裏側の背景や五郎丸選手の呼吸の音が聞こえてくるような、そんな臨場感たっぷり1冊。
ロッカールームからグラウンドのチェックに向かう。チェックする項目は芝の状態。風向き。太陽の方向などをチェックする。キッカーにとって一番大切なのは風向きだ。両サイドのポストの下まで行き風向きをチェックする。囲まれたスタジアムの場合、グラウンド全体を吹き渡る風とポストの下の風では、向きが若干違う場合があるのだ。この日はメインスタンドから向かって左から右へと全体的な風が吹いていた。
◎ シンプルに考える
LINE元代表取締役社長の「仕事の流儀」が散りばめられた1冊。
物事の本質はシンプルであり、「目の前の人を幸せにする」こと。
本質を突き詰めて考えることの大切さを改めて感じさせてくれる1冊です。
どんなことでもいい。人々が求めているものを与えることができる人は、どんな時代になっても生きていくことができる。それが、ビジネスのたったひとつの原則だと思うのです。 大切なのは、人々が本当に求めているものを感じ取る能力と、それを具体的なカタチにする技術を磨き続けること。
権限を背景に人を動かすのはリーダーの本質ではない。自分の「夢」で人が動かせるかどうか。その一点が、リーダーシップの本質なのです。
◎ 0ベース思考—どんな難問もシンプルに解決できる
僕らは無意識のうちに、自分の中に思考の枠を作ります。これを固定観念とか固定概念といいますが、そうした「正しい」「間違い」という考えを一度ゼロに戻そう、という1冊。僕たちが子どもたち選手と接するときには「ニュートラルであること」に通じます。
最近の風潮として、問題を解決する方法には「正しい」方法と「まちがった」方法があるという思い込みをもつ人が増えている。こういう考え方でいると、言い争いがどうしても増えるし、残念なことに、解決できるはずの問題も解決できなくなってしまう。 これを何とかできないだろうか? きっとできるはずだ。 正しい方法とまちがった方法、かしこい方法とおろかな方法、青信号の方法と赤信号の方法があるなんて思い込みを、ぼくたちはこの本を書くことで葬りたい。
◎ 考えない練習
「自分の頭で考えよう」そう選手たちに伝えていますが、考えないことも大切。僕らの頭の中は「思う、考える」という思考であふれています。この思考と一体化してしまうと、その思考に振り回されて疲れてしまいます。未来や過去に想いを馳せることも大切ですが、未来をイメージしすぎて不安になり行動できないこともあります。そんな時は、「いま、ここ」を感じること。
「こうなったら嫌だな」「こうなったら嬉しいな」という前段階で、心を見つめて身構えておくのです。大事なことは、「この相手は、次に何を言うのだろう」と相手の話に意識を向けるのではなく、常に自分の感情に意識を向けておくことなのです。
自分の大好きな刺激を得るためなら私たちが苦しんでもお構いなく考え続ける、ヤクザな物体。
◎ 「首から下」で考えなさい
僕の中では「首から下で考える(身体で考える)」とは「身体のメッセージを聞く(感じる)」と解釈しています。頭で考え、理性的な判断よりも、理由はわからない直感の方が正しい判断だったと思えることもたくさんあります。頭で考えることは大切です。けれど、それと同時に、身体の感覚を信じる、その感覚を研ぎ澄ませることにも意識を向けさせてくれる1冊です。
◎ ジョコビッチの生まれ変わる食事
間違えて2冊買ってしまいました。まだ読んでいない方はぜひ。
世界最高のテニスプレーヤー、ジョコビッチ選手の食事法。
今でこそ、名前を知らない人はいないくらいの有名選手ですが、
第二集団でもがいていた時期がありました。
そこから活躍する転機となったのがこの「食事法」です。
「私がこの本を書こうと思ったのは、私ならあなたの肉体だけでなく人生すべてを変えられる」
◎ 伝わっているか?
コミュニケーションは僕ら大人も子どもたち選手も、切っても切れないもの。企業が求める能力としても、何年も連続で「コミュニケーション能力」が上位を独占しています。
伝えると伝わるは違います。この違いをわかりやすく教えてくれる一冊。ビジネスのマーケティングのお話ですが、日頃のコミュニケーションにももちろん応用できます。
「コミュニケーションって難しいな」と思う人のほとんどは伝えようとして失敗します。伝えるのではなく、伝わる。
◎ 「経験学習」ケーススタディ
人は経験から学ぶことができます。そう考えてみると、視界が広がり、スポーツの練習以外の時間の経験を応用することも可能です。また、選手の中には「経験を活かす」こともできれば、同じ失敗を繰り返してしまう選手もいます。この違いをしっかりと教えてくれるのがこの1冊です。
◎ すべては「前向き質問」でうまくいく
僕たちは「自分で自分にかける質問を変える」だけで、仕事も人間関係もよりよくすることができます。どんな質問をすれば良いのか?がわかりやすく、物語形式で学べる1冊です。
「なぜこんなことになってしまったんだろう?」 → 「なにをすればうまくいく?」
「なんでみんな言うことを聞かないんだ?」 → 「みんなに協力してもらるベストの方法はなに?」
「なんであの人はいつも怒りっぽいの?」 → 「あの人は何を必要としているのかな?」
*批判する人
・ 自分自身や他人を批判する
・ 知ったかぶりする
・ 頑固・ひとりよがり
・ フィードバックを否定と捉える
・ 人との距離を考える
↓
*学ぶ人
・ 自分自身や他人を受け入れる
・ 知らないことを尊重する
・ 柔軟・適応性がある
・ フィードバックを価値あるものと考える
・ 人とのつながりを感じる
◎ 賢人たちからの運命を変える質問
カバン持ちをさせていただいていた方のご紹介も(笑)
2014年の書籍ですが、偉人たちの考えにもしつもんがありました。
誰の人生を生きていますか?
―スティーブ・ジョブズ本当の成功とは、誰から見た成功か?
―ジェームズ・アレン余分なものは何だろう?
―ミケランジェロ近くの人を幸せにするために何をしよう?
ヘンリー・フォード何を習慣にしよう?
―オグ・マンディーノ
いかがでしたでしょうか。
もちろんこれ以外にも素晴らしい本がありましたが、特に今年は
僕の趣向が「感じる」「感性」「センス」に向いていましたので、
ちょっと偏った選出になってしまいましたが、年末年始のお供にしていただけたら嬉しいです。
あなたのオススメ本もぜひ、教えてくださいね!
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もうお試しになりましたか?
「しつもんで子どものやる気を引き出す5つのコツ」