
「ぼく、マリオカートの世界をつくりたいんですよ」
そう話してくれた中学1年生の男の子は、
仮面ライダーが大好きで、
数万円もする変身ベルトを何本も持っている。
(大人が買うやつ!)
「次回会うときは持ってきますよ」と言うので、
「仮面ライダーRXのやつを頼むよ」と小さな頃の
僕のヒーローの名前を伝えておきました。
「マリオカートの世界をつくりたい」
これが小学低学年の言葉だったら、
まわりにいる大人たちも、
「夢のある子だな」と評価してくれます。
けれど、
ある程度の年齢になったり、
僕ら大人がおなじ夢を語ると
「いい年をして何をいってるんだ」
という顔をされる。
でも、
多くの子どもたちは(大人も)、
答えの奥に「本当の答え」を持っているんです。
「 マリオカートの世界って、
どんなにぶつかっても、海に落ちても、
アイテムで攻撃されても、怪我しないんですよ。
ぼくはそんな世界をつくりたいんです」
人は妄想を明確にすると、
現実とのギャップを感じる。
このギャップという
何かが欠けているという認知があって初めて
「何かを知りたい」
という好奇心が発動する。
人がなんらかの創造性を発揮する際には、
「妄想と現実のギャップ」を認識することが欠かせない。
個人が自らの関心に基づくビジョンを明確にして、
さらに、そのビジョンと現状との間にある距離(ギャップ)を正面から
受け入れたときに初めて、そのギャップを埋めようとするモチベーションが
個人の中に生まれる。このような緊張状態が生まれない限り、
人はクリエイティブなモードにはならないのである。
(ダニエル・キム MIT教授)
彼はいま、
マリオカートの世界という
「どうしたらぶつかっても怪我をしないか?」と
そうでない現実の世界とのギャップに気づいたからこそ、
好奇心が生まれ、探究が始まった。
「スペインを舞台に活躍するサッカー選手になりたい」
という子どもは、
スペイン語を話している未来の自分と、
こんにちは(Hola)くらいしか話せない現実の自分との
ギャップに気づき、好奇心が生まれ、
スペイン語の勉強をはじめる。
「どんな自分になれたら最高?」
「もし100億円のお金があったら何に使い切りたい?」
「子ども時代の夢は何でしたか?」
妄想から
好奇心を引き出すきっかけをつくりましょう。