【まとめ】子どもたち選手からアイデアが出てこないときの対処法

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「誰かアイデアある?」子どもたち選手からアイデアを引き出したくて問いかけても、選手が答えてくれないということがありますよね。また、「答えてくれるのはいつも同じ選手で…」ということもよく目にする光景です。では、手をあげて発言しない選手は何も考えていないのか、というとそうではないことがほとんどです。もちろん、答えが浮かばない選手もいますが、多くの場合は、環境を変えることで選手達はより積極的にアイデアを披露してくれます。では、どうすればいいんでしょう。
いくつかの項目に分けてお伝えしますね。
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1.アイデアを伝えられる空気をつくる
2.問いかける
3.考えをまとめる時間をつくる
4.少人数で伝え合う
5.全体で伝え合う
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アイデアを出せる空気をつくること。最初のステップですが、ここが最も大切です!!
もう1度言いますね。ここが最も大切です(笑)
子どもたち選手の多くは、「伝えても否定される」「笑われたら嫌だな」「こんな考え伝えても仕方がないかな」と、不安に感じています。
「しっかりとした考えしか伝えてはダメ」そうした空気がチームに漂っていると、アイデアを持っていたとしても伝えられなくなってしまいます。僕ら大人も、会議やミーティングなどで、「アイデアはあるけれど、伝えても大丈夫だろうか…」と、不安になって結局そのアイデアを伝えられなかった、なんて経験がありますよね。けれど、途方もないアイデアが誰かの創造性やひらめきのきっかけになることがたくさんあります。

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もし君と僕がりんごを交換したら、持っているりんごはやはり、ひとつずつだ。
でも、もし君と僕がアイデアを交換したら、持っているアイデアは2つずつになる。
ー ジョージ・バーナード・ショー(劇作家)
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ですので、例えば、「この時間はどんな答えもオッケー!たくさん出すことが目的だからね!」と、改めて伝えてあげることで、子どもたちの心理的なストレスを和らげてあげることができます。講習会やチームのトレーニングなどではしつもんに答えてもらう際に、3つのルールを約束しています。

・しつもんの答えはすべて正解
・答えが出てこないのも正解
・他の人の答えを「そうだよね」と受け止める

もちろん、1回で空気をつくることは難しいかもしれません。けれど、「どんな答えも正解」と、いつも伝えてあげることで、だんだんとチームに染み込み、子どもたち選手は自らのアイデアを披露してくれるようになります。「子どもたち選手からアイデアが出てこない…」そんな時は、まずは話し合いの際の空気に意識を向けてみましょう。
 
 
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しつもんには自ら答えを生み出すパワーがあります。
そして、しつもんを投げかけると、人は無意識にその答えを探しはじめます

「あなたは、今日、何を食べましたか?」

そう問いかけると、今日、口にしたものを意識的、無意識的に関わらず脳は探し始めます。ですので、「今日食べたものを教えてください」「今日、食べたものを教えろ」と、指示や命令をしなくても子どもたち選手の行動を引き出すことができます。
反対に言うと、子どもたち選手の中には指示や命令をされると、心の中では「反発したい」という思いが浮かんくる子もいます。
指示や命令される機会が続くと「やらされている」といった空気が生まれ、お互いに気持ちよく関わることができなくなってしまいます。
子どもたち選手のアイデアを引き出すためには、しつもんを効果的に活用すること。
いつもは指示していたものを、しつもん形式にすることを意識してみましょう。たとえば、「この前の試合の反省点を自分なりに考えなさい」ではなく、「この前の試合の反省点は何だった?」と、問いかけてみる。すると、子どもたち選手の頭の中は反省点を探すモードに切り替わります。
(その答えを教えてくれるかどうかは、最初のステップの「空気づくり」次第です)

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いい質問をすることが
会話の質と量を向上させることにつながるのではないでしょうか。
ー斎藤孝
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そして、もうすこし欲をいうと、しつもんを小さく、順番にするとより考えやすくなります。「反省点」という言葉だと何を考えればいいかわからない、という選手がいます。選手によって「反省」という言葉の捉え方が違う場合もありますからね。
ですので、「どんな失敗があった?」「どんなミスがあった?」と、まずは問いかける。
そして、僕ら大人は「反省」という言葉の中に、「前回のミスを改善する考えやアイデアを見つけてほしい」という期待がありますよね。
ですので、反省の先にある改善点も改めて問いかけます。「どうすれば良かったと思う?」「次、同じ場面になったらどうする?」すると、「前回は1対1の場面で焦ってシュートを外してしまったから、次は落ち着いてシュートをできるように、練習から本番のつもりで1本1本、大切に取り組みたい」というような答えが返ってきます。
くり返しになりますが、「指示」していたことを「しつもん」に変えることで、子どもたち選手のアイデアはもちろん、やる気や行動を引き出すことができます。

そして、最後にひとつだけ。
しつもんするときに注意して欲しいのは、「これは誰のためのしつもんだろう?」と自分に問いかけてからしつもんしてみてください。「なんでシュート外したんだ!?」「いつになったら宿題やるの?」
ただ自分が聞きたいだけ
のしつもん(尋問)になっていると、子どもたちは答えてくれないどころか、やる気や自信もなくしてしまいます。
僕らの本来の目的は、「選手のやる気や行動を引き出すこと」ですから、自分が聞きたいだけのしつもんではなく、子どもたち選手のやる気や行動を引き出すしつもんになっているかを意識してみてくださいね。

整理しますと、問いかける際のポイントは、
・指示をしつもんに変える
・細かく、小さく問いかける
・「誰のためのしつもんか?」を意識する

です。

 
 
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次のステップとして、子どもたち選手のアイデアを引き出すためには「頭の中を整理する時間」をつくることが大切です。問いかけに対して、すぐには答えられない選手でも、頭の中を整理する時間をつくることで多くの選手がアイデアを教えてくれます。

たとえば、いつも負けてしまっている対戦相手との試合の1週間前。「どうしたら、次の試合で自分たちのプレーができるかな?2分くらいちょっと考えてみよう!」と、伝えます。
(さらに効果を高めたい方は考えを「書く」時間をつくることをおすすめします)

多くの選手がこの段階で自分の考えを整理し、答えを教えてくれますが、中には、「ほんとにこの考えで良いかな」「みんなに笑われないかな」「ちゃんと話せるかな」と、不安に感じている選手もいます。
ですので、まずは「少人数」でのシェアが効果的です。「2人でペアになって いま考えたことを伝え合ってみよう」ペアでシェアすることで、子どもたち選手「全員」が考えを伝え合うことができます。
これはトレーニングでも同じですよね。二人一組だと自信満々にプレーしているのに、チーム全体になると縮こまってしまう選手がいます。そして、子どもたち選手に限らず、僕ら大人も「自分の考えを聞いて欲しい」と、心のどこかで思っているもの。こうして、細かく伝え合う時間をつくることで、「聞いてもらえてうれしい」「人は考えが違って当たり前なんだ」と感じることができます。

2人でのシェアが終わったら、全員で輪を作って、考えを伝え合う時間をつくりましょう。「どんな考えがあったかな?誰か教えて。」そう伝えると、いつもは手をあげることを怖がっていた子どもたちも、堂々と手を挙げてアイデアを教えてくれます。

ポイントは、
・問いかけたあとは、考えをまとめる時間を作る
・少人数で伝え合う
・その後、全体で伝え合う

です。

最初にもお伝えしましたが、子どもたちはたくさんのアイデアを持っています。けれど、「発表したら怒られる」「こんなこと言って良いのかな」「まだ、考えがまとまってなくて」と、不安に感じ、答えを心の中に閉じ込めてしまいます。ですので、その不安を取り除いてあげるだけで、僕ら大人よりもはるかに素敵で、創造性豊かなアイデアを教えてくれるはずです。子どもたち選手のアイデアを開く時間をつくりましょう。
 
 

いかがでしたでしょうか。
「いつもおなじ選手が発言する」
「なかなかアイデアが出て来ない」

そんなときは、ぜひ一度試してみて下さいね。
 
 
 


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