北島建児さん
『しつもんメンタルトレーニング 』インストラクター 1969年長野県松本市生まれ。 2005年より、子どもがサッカーを始めたことがきっかけでジュニアサッカーの指導者となる。 現在はサッカー、バスケットボール、バレーボールなど競技を問わずスポーツチームを中心に長野県内にてワークショップを開催。facebookアカウントはこちら
「サッカー経験なしコーチ」だからできたこと。
藤代 しつもんメンタルトレーニングを受けてくれたのは、何年前になるんでしたっけ?
北島 5月?何年前の5月だろう?3年まえ?3年前の5月。
藤代 当時はどうして受けようと思ったんですか?
北島 間違えてポチっとしちゃったんですが
藤代 間違えたんだね(笑)
北島 当時、ジュニアサッカーの指導をしていました。私本人が元々サッカーの経験が無い中で指導をしていて、技術的なことはちょっと置いておいて、プラスアルファで何か子どもたちに伝えられることはないかな?伝えられたらいいな。と思いを抱き、サカイクを読んだり、畑先生のボトムアップ理論を学んでました。そこからしつもんメンタルトレーニングに至ったという経緯ですね。
藤代 サカイクに掲載されていたのを見てくれてたんだね。技術以外で子どもたちの力になれることはないかな?と考えていたということだよね?それはずっとそう思っていたの?
北島 んー。負い目と言っていいのかわからないのだけれど、サッカーの経験が無い中で、自分が受けもった子どもたちを、どうやったら成長させられるかなぁと考えていました。技術は大したことを教えられないかもしれないけど、人間力を高めることをゴールだと考えていたので、そのために何があるかな?と。
藤代 実際に実践して、どんな変化がありましたか?
北島 やっぱり自分で考えて判断して、行動できる子が徐々に増えていったという印象が大きいです。
藤代 それはどんな時に感じたの?
北島 どんな時に?(笑)
藤代 (笑)なんか変わったなーみたいな。
北島 一番印象的に残っていることが、ある日、リーグ戦で担当コーチが不在で、私がコーチを任された日があったんです。ミーティングに入る前に、ちょっと簡単なアクティビティをしたあとに「ぼくは違う試合の審判やってくるよ。何か手伝えることはあるかな?」と伝えたら、選手達から「後はできます!」とキャプテンを中心に答えてくれました。その結果、皆で協力し合って、2試合か3試合リーグ戦があったと思うんだけど、結果全勝したんです。
藤代 おー。
北島 一番嬉しかったことは、保護者のみなさんが「子どもたちがいつもと違って輝いていました」と言うんです。
藤代 おー。表情が違って見えたんだ。
北島 そんな声を聞けてすんごい嬉しかった。まあ、結果が出たことももちろん嬉しかったですけど。その保護者の声がとても嬉しくて。
藤代 もうちょっと詳しく聞きたいんだけど、いつもはコーチがいて監督がいる。そして、試合が始まる前に監督が「ウォーミングアップをやろう」と伝えて、実際にウォーミングアップをして試合に取り組む、と言うのが一般的なチームの流れだよね?
北島 そうですね。
藤代 その日は監督が不在で、サブちゃん(北島さんのニックネーム)しかいません。
北島 はい。
藤代 サブちゃんは「みんなに任せたいと思うんだけど、できるかな?」と子ども達に聞いたら「はいできます」と返ってきた。「じゃあ、わかった!」って信じて任せた結果、自分たちですべてやってくれた。その結果、三勝しただけでなく、保護者の皆さんも「あれ?いつもよりいいんじゃない?」って感じてくれた、と?
北島 そうですね。実際にウォーミングアップ前に取り組んだアクティビティは”フラフープくぐり”なのだけれど、「どうやったらタイムは短くなる?」と質問することで、チームの一体感を子ども達自身が感じることができたのかなと。
藤代 その時はどんなメッセージを伝えたかったの?
北島 今回のアクティビティの課題を解決するためには、協力しないといけない。サッカーも協力が必要だよね、と彼らが体験から学んでくれたらいいなと思っていました。最終的には「今のアクティビティをどうやって活かす?」「サッカーでも活かせないかな?」と彼らに質問を投げかけて。皆で協力することを、子ども達自身が自分たちで感じとってくれました。チームメイトを批判したり、ネガティブな反応ををしているとうまく進まないことも感じてくれて、ポジティブな声をかけあう姿勢が見えてきました。
藤代 いいねーそれ、すごく。
北島 彼らがお互いを理解することがはじまりましたね。
出会えなかった人と出会えるしあわせ
藤代 すごいなぁ。自分自身の変化は何かありましたか?
北島 しつもんメンタルトレーニングに出会って?
藤代 実践したりしてみて。変わらない?
北島 変わらないことはないかな。お陰様で「つながりプロジェクト」で長野県のチームのオファーを通じて、講師をたくさんさせてもらったので、とってもいい経験をさせてもらいました(笑)
藤代 というと?どんな経験になったの?(笑)
北島 こうした機会がないと出会えなかった人たちと出会えたこと。そして、受講者のみなさんの感想を読ませてもらうと「ああーやってよかった」と毎回、喜びを感じました。そして、講師を繰り返して気づいたことはしつもんメンタルトレーニングのワークシートすげーなぁって(笑)
藤代 すごいでしょ?あれ(笑)
北島 この通りやればこんなに喜んでもらえるんだって。
藤代 もちろん、さぶちゃんの人柄と姿勢がそれを生んでいるんだけどね。講師として登壇する際に、最初は不安で、大丈夫かな?と思っていたけど、やってみようと思って実際に行動してみたら、良い感想がたくさんあったんだね。
北島 そうだね。実際の講座中は、受講者の方の反応が気になって失敗しちゃったかなと不安になることもあるのだけれど、感想を見ると、みんなすごく喜んでくれて。それが、すごい楽しみになりはじめて、最終的には「やってよかった」って、「次も頑張ろう」って思うんです。
「父ちゃんすげー!」親子の絆が深まるきっかけ
藤代 このインタビュー前に少し話をきかせてもらったことの中に、とてもいいなぁと思ったことがあるのだけれど、長野県内で講師をしたことが新聞に載って、お子さんとの絆も深まったんだって?
北島 そうそう~!「とうちゃんすげーー!」って(笑)
藤代 (笑)
北島 子どもの見方が変わったぞ、と。
藤代 家族として誇らしい?
北島 そうですね~。
藤代 いいよね。
北島 メディアの力はすごいなぁと(笑)
藤代 今後はどうしていきたいですか?
北島 そうだなぁ。しつもんメンタルトレーニングの目指している「一人でも多くの人がその人らしく輝く世の中をつくる」というビジョンに共感している部分があるので、自分なりにその手伝いをちょっとずつでもして行きながら、自分も学びながら、人に喜んでもらえることができたらいいなぁと思ってます。
藤代 なるほど。具体的にしたいことはある?
北島 具体的なことはいまだはないかな。
藤代 じゃあ、いまこの瞬間を楽しむってことだね。
北島 そういうことですよね。(笑)
藤代 (笑)いいですね。なにか言い残したことはありますか?
北島 (笑)特にないです。
藤代 (笑)ありがとうございました!
北島 ありがとうございました。