個々の選手は
一人でも優れた判断と
行動を示すこともありますが
集団に入ると
途端に同じことができないことがあります。
フランスの心理学者
リンゲルマンが実験で明らかにしたように
集団での力は
個別よりも低下する傾向があります。
無意識に
手を抜く心理も生じやすく
チーム全体にだけ指示を出すだけでは
対処しきれない場合があります。
子どもたち選手
一人ひとりとじっくり向き合い
意識を高めるための時間を大切にし
個別に関わることで
より良いチームの成長を促すことが大切ですね。
「もっと集中しろ!」
「手を抜いたプレーをするな!」
僕らは意識しないと、
欠けているところを見つけるのが
得意な生き物。
ですから、
子どもたち選手の
「できているところ」よりも、
「できていないところ」に
目がいってしまいがち。
けれど、
じっくりと保護者の方やコーチの方の
お話を聴いてみると、
「あの子、
1人ではできるんですが、
大勢になるとダメなんです」
という言葉が出てくるんです。
そう、
一人だと素晴らしい判断、考え、
行動できる選手も、
チームに入ると、
「同じことができない!」ということが
ありえるんですよね。
心理学ではこれを、
リンゲルマン効果と呼びます。
要は、集団になればなるほど、
「他の人がなんとかしてくれる!」
という心理が無意識で働くんですよね。
フランスの心理学者リンゲルマンは
何人かのグループで綱引きをさせました。
1人で綱引きをした時の
力の入れ方を100とすると
2人で綱引きをした時は、
1人当たりの力が93に減少したそうです。
さらに3人で綱引きをした場合は85に。
そして、
8人で綱引きをした場合は、なんと!
一人当たりの力が49にまで減少しました。
スポーツでも
同じことが起こります。
子どもたち1人1人と
じっくり接してみると、
しっかりと考え行動できる選手でも、
いざ、集団に入ってしまうと、
「なぜ、あの時できたのに!」
という行動を起こりがち。
練習前のゴールや道具の準備でも、
「自分くらい手を抜いても大丈夫」という
考えが無意識で働き、
時間が予想以上にかかったりすることが
よくありますよね。
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村の祭り酒という話を、選手によくします。
収穫を祈念して夏祭りをする村があった。
祭りでは、お酒が入った大きな樽を、
みんなでパーンと割って始める風習があった。
ところがある年、
貧乏でお酒が買えなくてみんな集まり、
「どうしよう、これじゃ祭り開けねえな」と
悩んでいた。するとある人が、
「みんなが家からちょっとずつお酒を持ってきて、
樽に入れたらどうだ?」と提案した。
「それはいいアイデアだ」ということで、
みんなが持ち寄って樽がいっぱいになった。
「これで夏祭りを迎えられる。良かった」
ということで当日にパーンとみんなで割って
「乾杯」と言って飲んだら、
水だったという話です。
みんな、
「俺1人ぐらい水を入れても分かんないだろう」
と思っていたんです。
ー 岡田武史(元日本代表サッカー監督)
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無意識に手を抜かないようにするには、
1人1人の選手ともっとじっくりと関わる
時間をつくることが大切。
チーム全体への指示だけでなく、
「なぜ、この練習をしているんだろう?」
「準備のポイントは何だろう?」
個人個人が
意識を高く行動できるように
関わってあげることが大切。
そして、
1人1人の行動をほめてあげると、
より「やろう!」という気持ちを
引き出せるかもしれません。
子どもたち1人1人に
関わる時間も大切にしましょう。
◎まとめ
- 集団での行動では無意識に手を抜く心理が働いてしまう。
- 個々の選手が集団で異なる行動を示す現象がある。
- 個別に関わり意識を高める重要性に着目しよう。
- 子ども選手一人ひとりとじっくり向き合うことでチームの成長を促すことが重要。
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