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正智深谷高校平亮太監督に学ぶ「自ら練習する選手の育て方」とは

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藤代:今日は宜しくお願いします。平監督が、選手と接する上で大切にしていることは、どんなことがありますか?

平監督:自分の中では特別なことをやっているつもりはないんです。
ただ、やりたいと決めたことに対しては徹底的に妥協せずに自分もやりますし、選手にもやらせます。
練習だけでいえば「できた達成感」というのを持って欲しいということがあります。
僕の中で時間で区切るということが消化することという感覚があるので、中途半端な状況で終わってまた明日と持ち越しになるよりは、徹底してできるまでやる。選手にもそういう意識付けをしています。

藤代:目標の立て方として、先生なりに選手達と決めていること、「こういうことを大切にして目標をたてよう」ということは何かありますか?

平監督:目標というのはやる以上は頂点を目指さなくてはいけないと思います。インターハイや全国大会がある中で、逆に、僕は日本でベスト8やベスト4を目指すというのは、どういうふうな計画の中でやっていけばいいのかということが難しいと思うんです。
頂点を目指した上で、結果こうだった、ということはあるかもしれないんですけど、頂点を目指す上では単純に言えば、日本一質の高い練習、日本一の量を確保して、そういったことで逆算できるんですけど。どうせやるんだったら頂点を目指さないと面白くないなと思うんですよね。

藤代:現役の時から、そのような考え方ですか?

平監督:そうですね。どうせやるからには1位じゃないと。結局2位とか3位というのは、僕からしてみてたらたまたま組合せがよかったから2位3位ってことだという感覚です。
例えば、組合せ上、優勝する相手と1回戦で当たったら1回戦負けになってしまうんですね。チャンピオンというのは誰にも負けないからチャンピオンであって、それ以外の人は誰かに負けているんですよね。どこで誰に負けたかということで順位が決まる。ですので、日本一以外は、あんまり評価にはならないと感じています。

藤代:どこであたるかによって、ベスト4にもなればベスト8にもなると?

平監督:そうなんです。そうなってくると組合せ次第になってきてしまうということなので、そうであれば、誰にも負けないチャンピオンということが、誰とどこで当たろうが負けてない訳ですからチャンピンなんですね。

藤代:選手達は入学した時からその思考(日本一になる!という思考)になっていますか?
それとも、今までの成績とか他の子と比べて自信が持てないけれど、徐々に日本一の思考になっていくのですか?

平監督:正直、日本一を目指してうちに入ってくる選手は少ないと思うんですよね。やっていく中で日本一という目標が見えてくると思います。日本一を目指してやると決めてくる子は、ある程度、中学校までで日本一に近い位置にいた選手。そうした実績のない子に日本一といっても、恐らく、(本人も)ぼんやりと日本一と言っているだけだと思うんです。

藤代:なかなか肌で感じているものがないと?

平監督:はい。口では言っているんですけど、本気で日本一というのが、どれだけやったらどのレベルまでいったら日本一に近づけるのかということが分からない子達なので、それをどういう風にして伝えるかで。
言ってみれば洗脳ですよね(笑)。洗脳なんです。
ただ、洗脳していく上で、僕が色々、卓球の面や生活面でも伝えています。そういったことに対して、結果が少しずつでていかないと、子ども達も(伝えていることを)信じてくれないんですよね。

これだけやっているのに全然ダメじゃん、勝てないじゃんってなると、いくらこっち側から洗脳しようとしてもダメなので、やっていくことに結果が少しずつ結果が付いてきて、「本当だ!こういうことをやっているから自分達が強くなっているんだ、結果が残せているんだ」ということの繰り返しで、最終的に日本一が見えるんじゃないか、こういう風に目指せばできるんじゃないか、と。

藤代:ちなみに、具体的にどんなことをされているんですか?
最初は日本一というぼんやりとしたものが、くっきりと輪郭が見えるようにするためにこういうことをやっているんだということは何かありますか?

平監督:やっているというか、無茶はしていますね。無茶を承知で色々なことをさせています。

藤代:無茶というと?

平監督:例えば、朝練とかでも、走り込みが必要な時期であれば、朝から20キロ走ったりします。それって普通の女子高生がやることかといったら、そんなことないと思うんですよ。陸上部だったら、それくらいの距離を走ると思うんですけど、卓球選手が果たして必要なのかというと、そうではないと思いうんですけど。

けれど、見えない敵を相手にしているので、「これくらいでいいだろう」というのは自己満足にしかならないんです。
どこの誰よりも、1番を目指すのであれば、僕の中で朝から20キロ走っている全国の卓球やってる高校生なんていないだろう、
それが1つずつの自信になっていくんですよね。

日本一になるためには、全てにおいて日本一のことができれば、日本一には近づけると思うんです。
自分達は日本一走っているんだよ。トレーナーをつけて、日本一のウォーミングアップからスタートして、日本一のことをやってるんだよ、と。
それがひとつずつ全てのことに日本一、日本一、日本一、になっていくと子ども達というのは日本一を自分達は目指してやっているんだなという感覚が少しずつ分かって来るんです。

藤代:感覚として掴めてくるということですね?

平監督:そうですね。だから無茶というのは承知でやらせているんです。
実績がない子達が普通通りにやらせても日本一にならないというのは分かるので。

藤代:無茶ということは選手達に言うんですか? それとも、走ろうということだけ選手に言うのですか?

平監督:(無茶だと)言いますよ。
人と同じようなことをしていても追いつくレベルじゃないんだから人の2倍3倍やらないけない。
これはもう言った以上は徹底させます。

(人よりたくさんやろうということは)一般的には皆さんも聞いたことは沢山あると思うんですけど、実際にやってますかというと、できていないと思うんですよね。そこを徹底させるということで。
人の2倍3倍努力しないといけないんだから、朝からランニングする時も2倍3倍走りなさい。
それをただやっているし、そういったメニューを作っている。それを徹底されるということはしてますね。

藤代:(卒業生に対して、)ここまで聞いていてどんなことを感じましたか?

卒業生:こういった考えがあったんだなと。それを知れて、私は卒業生としてめちゃくちゃラッキーだなと思って聞いていました。だから先生は(現役時代に)あんな機会を作ってくれたんだとか、話しをしたくれたりとか、いまのこういうことに繋がっているだなというのを知ることができました。

藤代:徹底というキーワードがでたと思うのですが、それを選手達がやってくれるために色々試行錯誤をしていると思います。
何か意識していることはありますか?

平監督:例えば、練習のことでいうと、この技術を学びたいなということであれば、練習メニューを毎日変えてあげるということですね。これは、飽きさせない工夫ですね。

卒業生:大学は他の高校の人達が集まる環境でプレーをしていたのですが、他の高校などでは先生がいない時に練習をサボってしまったりとか手を抜いていたなど、話をしているのですが、正智の子達はそういったことが絶対にないんです。

藤代:先生がいなくてもやる?

卒業生:ちゃんとやります。

藤代:そこは皆さん知りたいポイントだと思いますね。先生がいなくなったら気が抜けて、いかにサボるかをいうことを考えてしまう選手も多いと思うのですが?

平監督:これも良く耳にすることだと思うのですが、「自分のためにやるんだということ」
僕のためにやるんではなくて、自分のためにやることなんだから。「僕のためにやるぐらいだったらやらないでくれ。こんな無駄なことはないから」と伝えているんですね。

藤代:それを選手達は肌で感じているからやるということですね?

平監督:肌で感じさせる上で色々な話しはやっぱやっていきますね。

藤代:他にも子ども達が自らやりたくなるために、意識しているアプローチはありますか?

平監督:全体には、ばーんとアナウンスはするんですけど、基本的には1人1人ですよね。
選手からしてみたら指導者は私1人しかいないので。

私からみたら1対10なのかもしれないんですけど、選手から見たら1対1なんですよね。
ですので、1人1人と接してあげないと。

例えば、強い選手だけしか見てあげない、相手をしないとかではなく、
チームとしてそれ以外の子達をどういう風にして日本一にまとめていくかというのが、日本一を目指す上で大事な部分だと思います。

結果が出ている選手だけじゃなくて、それ以外の選手をどういう風にしてまとめて日本一を目指していくかということが重要。
そうなってくると、強い選手ばかりじゃなくて、試合に出れない選手への対応をしていかなくてはいけないと思います。

ですので、全てにおいて、全ての選手に対して、「あなたはこれがクラブの中で誰よりも1番誰よりも凄いよね」ということを1つずつ見つけてあげるんですよね。

「あなたは誰にもまけないことがあるよね」ということを1人1人持たせてあげて、そういった接し方をして。
そうするとやっぱり、自分をみてくれているんだなと選手が思ってくれるのかもしれません。

やはり、1番ダメなのは、選手にそっぽ向かれてしまうこと
そうすると、いくら良いこと言っても聞いてくれないんです。

藤代:お話しを伺っていて、「徹底させる」というよりも、(選手達が)したくなる動機付けというか、
私のことをみてくれているという感覚が凄くあるのかなと感じました。

平監督:線引きが難しいところがあるんですけど、指導者と選手、大人と子ども、その中で色んな線引きがあると思います。
けれど、やっぱり選手も人間なので、1人の人間として認めてあげないといけない
それが明らかに指導者と選手という線引きをしてしまうと、選手というのは言いたいことも言えなかったり。
線引きが、できるだけ近い関係というんですかね。

練習メニューに関しても、「あなたの練習メニューはこれだよ」と、1人ひとり全部変えてあげる。そうすることによって、自分だけのもの、スペシャルというものを受け取ると、選手達は「私は違うんだ、私のメニューはこれなんだ」という特別感を持ってくれる。
結局は、選手をいかにその気にさせて動かすかといことが大事なことなので、どういう風にしてその気にさせるかということ。

そのためには、どういうことに関してもスペシャルなものを作ってあげること。
これはm私だけのもの。私だけの課題なんだ、と感じてもらうこと。
先生は私のことを見てくれているんだなと。

そう考えてみると、「私のことも」というよりは、「私のことを」かもしれませんね。

いまは1対13かもしれないんですけど、
そういう状況でものごとを伝えても動いてくれる子と動いてくれない子がでてくるので。
ですので、13人いたら13通りですよね。

こうしたことは、誰かがしゃべったりしていることを僕も聞いたことがあるんですけど、
多分皆さん、現実そういったことを分かってはいながら、徹底してやっていないのかもしれません。

藤代:頭では分かっているけれど?

平監督:はい。ただ僕は、それをやっているだけなんですよね。

藤代:先生の口からは「徹底させる」という言葉がでるんですけど、
選手達は「徹底させられている感」はしてないんじゃないかなと感じます。
(先生に)見てもらえているし、特別感があるし、やらされている感はないと感じるんですが

平監督:やらされている感は僕も感じないですね。嫌々やっているなという感じはしないです。

藤代:それが多分凄いところではないかと。
でも、先生から言わせればやろうとしたことを徹底してやればそうなるんだよということですよね?

平監督:やっぱり、選手も指導者も人間なので、心の部分が1番大事なことになってくるんですよね。
信頼関係が崩れている状態でいくらいいアドバイスをしても、良いことを伝えても、そればダメ。

反対に、信頼関係が出来ていて間違ったことを言ったとしても、
それは「良し」なんですよね、信頼関係ができていれば。

藤代:(平先生は)選手目線に立ってくれるている感じがとてもします。

平監督:そうですね。ユニフォーム(選手達が着たい、と感じるユニフォーム選びをしている)のデザインもそうですし、ここも線引きなんですよね。いかに選手と対等に向き合えるかということですよね。選手の立場からものごとを考えられないとですね

藤代:どちらかというと「徹底」という言葉だけを耳にすると、「自分が思っていることをやらせる」というイメージをとる方も多い思うんです。「やらない選手が悪いだろう」という具合に。

けれど、先生の場合はそうではなくて、やりたくなるためには、飽きさせないことはなんだろうかと、
ユニフォームはどうだろうか?と選手の立場に立ってくれるところが、凄いですよね。

平監督:本当に特別なことではなくて、皆さん聞いたことあるし、誰かもこんなこといってたな、ということがほとんどだと思うのです。でも、徹底してできていないと思うんですよね。

人の2倍3倍努力しなさいと選手には伝えるけども、果たして2倍3倍やらせるようなことを指導者としてやっていますかということ。ただそこだけなんです。

藤代:自分自身も、ですね?

平監督:はい。やらせるだけじゃ選手は動かないですからね
指導者も選手と同じ苦しみを味わなければいけない、僕はやらせっぱなしということはやらないので。

選手は子どもといえども、指導者を見てるんですよね。それはやっぱり自覚しないといけないですよ。

藤代:そこが信頼関係のベースになっているんですね。この先生について行こう、という。

平監督:言うことは簡単ですもんね。言うことは簡単なんですけど、実際に言ったことをやっているかというと、そうではないことが多いと思うんです。分かっているとは思うんですけど。

藤代:胸が痛いですね(笑)

平監督:人間ですからね。やはり心のある生き物なので。

藤代:ということは、やらせる以上は先生ご自身もやるのですか?

平監督:そうですね!後悔することもあります(笑)
例えば、冬の合宿はやり込む合宿なので、自分の課題をクリアしないと終われないんですよね。
その指示をした以上、僕はいなくてはいけないんですよね。

「やばい失敗してしまった、一番疲れるのは俺だ! これ終わらないよ徹夜だよ」ということはありますけど、言った以上はダメですよね、引くに引けないですよね。

最後まで残る子がいるのでそこまでいないとダメですよね。
早く終わる子と一緒に指導者が上がってしまうのでは。

藤代:なるほど。そうした、(信頼関係の)根っこが繋がっているから、先生がいなくても(練習を率先して)やるのかもしれませんね!

>>>平亮太監督の話をもっと聞きたい方はこちら!

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◎こちらのインタビュー記事は音声でもお聞きいただけます。

◎ YouTubeでお聞きになる場合はこちらからどうぞ。
 
 
 

2016.05.30
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